ペルー・マチュピチュ体験記の②遺跡編です。HISの添乗員付きツアーでの準備や移動、クスコ観光については①をどうぞ。
- 👉 【①準備・移動・クスコ編】:ESTA・服装の準備/ロサンゼルス乗り継ぎのハプニング/クスコ観光/夜行列車でマチュピチュ村へ
今回はいよいよ本編。早朝のマチュピチュ村散歩から、念願の遺跡観光、そして午後のインティプンク(太陽の門)トレッキングまで、マチュピチュを丸1日楽しみ尽くした記録です。私が訪れたのは2018年10月ですが、2024年から入場方法が大きく変わっているので、最新情報もあわせて紹介します。
早朝のマチュピチュ村を散歩|東北の温泉街に迷い込んだみたい
この日はツアーの行程(午前の遺跡観光)に加えて、オプションで午後もインティプンク方面へ行くプランを追加していたので、村を見る時間がなさそう……ということで、早朝に村を散策することにしました。
昨晩のお祭りの喧騒はどこへやら、人っ子ひとりいない無人の街。村の中心を川が流れ、橋で結ばれた両岸に家が並ぶ様子は、本当に田舎の温泉街のよう。道端のゴミ箱やオブジェを見て「ああ外国に来たんだ」と思い出すくらいで、うっかり東北の山あいの街と錯覚しそうになります。
💡 マチュピチュ村には本物の「温泉」があります
マチュピチュ村の旧名は「アグアス・カリエンテス」=スペイン語で「熱い水」。その名のとおり村には共同温泉があり、朝から営業していたそうです(水着着用で入浴するスタイル)。私は後から知って入りそびれたのが心残り……。次に行くことがあれば絶対に入りたい! 初代村長が日本人移民の野内与吉さんだったという話もあり、温泉街の雰囲気に親近感があるのはそのせいかも、なんて思ってしまいます。

シャトルバスで遺跡の入り口へ
朝食後、いよいよ念願のマチュピチュへ。村から遺跡の入り口まではシャトルバスで30分ほど、つづら折りの山道を登ります(ツアー料金に往復分が含まれていました)。
この日の午前中は晴れ。アンデスの山並みがくっきり見えて、否が応でもワクワクが高まります。
遺跡の入り口には売り子さんがたくさん。日本人観光客が多いからか、「キムタクです」と自己紹介してくる現地の方もいて、思わず笑ってしまいました。

マチュピチュ遺跡に入場|パスポートを忘れずに!
マチュピチュ遺跡は1日に入場できる人数が制限されていて、ふらっと行って入れる場所ではありません。チケットは事前購入制で、入り口ではパスポートのチェックもあります。チケットとパスポートはすぐ出せるようにしておきましょう。
💡 【2026年現在】入場は「サーキット制」に変わりました
2024年6月から、マチュピチュの入場チケットは歩けるコースがチケットごとに決まっている「サーキット制」になりました。大きく3種類あり、サーキット1(パノラマ)=上から全景を望むコース(マチュピチュ山登山、上部テラスなど)、サーキット2(クラシック)=おなじみの全景写真+遺跡の中心部を歩く定番コース、サーキット3(ロイヤルティ)=遺跡下部やワイナピチュ山登山のコース、という構成です。基本料金は大人152ソル(山登り付きは200ソル)で、時間帯指定の予約制・一方通行・滞在時間制限あり。昔のように1枚のチケットで自由に歩き回ることはできなくなったので、「定番の絶景写真+遺跡の中身」を欲張るならサーキット2を選ぶのがおすすめです。ハイシーズンは売り切れも多いので、公式サイト(tuboleto.cultura.pe)などで早めの予約が安心です。
あの絶景とご対面|急な階段を登った先に
入り口から先は徒歩です。遺跡を見渡せるポイントの直前にはけっこう急な階段があり、息を切らしながら登り切ると――写真や動画で何度も見た、あの景色が目の前に広がりました。

苦労してたどり着いた分、感動もひとしお。ここまで丸2日かけて移動してきた疲れが吹き飛ぶ瞬間でした。
遺跡の中を観光|主要スポットをガイドさんと巡る
ひととおり写真撮影をしたら、クスコから同行してくれている日本語ガイドさんの解説を聞きながら、団体で観光ポイントを押さえていきます。通路が狭く人も多いので、ゆっくりペースで回ります。
ここで、マチュピチュ遺跡の主要スポットを簡単に紹介しますね。
見張り小屋|定番の全景写真はここから
遺跡を一望できる高台に建つ、藁ぶき屋根の小屋。「マチュピチュといえばこの構図」という全景写真は、ほぼこの見張り小屋周辺から撮られています。遺跡全体と、背後にそびえるワイナピチュ山を一枚に収められる特等席です。

段々畑(アンデネス)
山の斜面に何十段も連なる石積みの畑。トウモロコシやジャガイモを栽培していたとされ、石垣・砂利・土を重ねた層構造で水はけまで計算されています。斜面の崩壊を防ぐ土木設備でもあったというから驚きです。
太陽の神殿
遺跡内で唯一の曲線を描く壁を持つ、ひときわ美しい石組みの建物。冬至の日の出の光が窓から差し込むよう設計されていて、太陽を崇拝したインカの天文知識の高さを物語ります。下部には陵墓とされる洞窟もあります。

3つの窓の神殿と主神殿
聖なる広場に面して建つ神殿群。巨石をぴったり組み上げた壁に、台形の窓が3つ並びます。インカの創世神話に関わる神聖な場所と考えられています。隣の主神殿も、一枚岩の巨石を積んだ迫力の造りです。

インティワタナ
遺跡の最も高い場所にある石の突起物で、「太陽をつなぎとめる場所」という意味。日時計あるいは天体観測の装置だったと考えられています。スペイン人に破壊されずに残った貴重なインティワタナのひとつです。

聖なる岩
広場の奥にある大きな一枚岩。背後の山の稜線と岩の形がそっくりで、山を神と崇めたインカの信仰を感じられるスポットです。

コンドルの神殿
地面の岩がコンドルの顔とくちばし、背後の岩が翼を広げた姿に見える神殿。コンドルはインカで天界の使いとされた神聖な鳥です。言われてみると本当にコンドルに見えるから不思議!

天体観測の石
建物の床に据えられた、浅い円形のくぼみを持つ2つの石。ここに水を張って鏡のように夜空を映し、星や月の動きを観測したと考えられています(臼として使われたという説もあります)。望遠鏡のない時代に「水鏡で星を見る」という発想がなんともロマンチックで、インカの人々の天文知識の高さを感じるスポットです。土木技術に鳥肌が立ちます。

ランチはTINKUYビュッフェ|遺跡入り口の高級レストランで大満足
午前の観光を終えたら、午後の再入場に備えて遺跡入り口のすぐ横にあるレストラン「TINKUY(ティンクイ)ビュッフェレストラン」へ。遺跡の目の前に建つ高級ホテル(ベルモンド サンクチュアリ ロッジ)に付属するレストランです。
同じツアーの方たちと食卓を囲みました。ビュッフェ形式で、現地のペルー料理から普通の洋食まで揃っていて、これが本当に美味しい。午前中たっぷり歩いた体に染みて、何度もおかわりに行ってしまいました。ソフトドリンクもビュッフェに含まれているので飲み物にも困りません。トイレも綺麗。お値段はそれなりにしますが、個人的には大満足のランチでした。

午後はインティプンク(太陽の門)へ|雨の山道を往復2時間
午後は再びチケットとパスポートを提示して入場。今度は遺跡の中心部には入らず、横道からインカ道を登ってインティプンク(太陽の門)を目指します。インカトレイルを歩いてきた人が最初にマチュピチュの全景を見下ろす、インカ時代の「正門」にあたる場所です。
実際に歩いて到達したグループが門の横でシャンパンを開けて到達のお祝いをしていました。何日もかけて長い道のりを歩いてたどり着いたら乾杯をしたくなる気持ちもわかります。
午後から小雨が降り出し、カッパが必要なくらいの降りに。濡れた石で靴底が滑ります。柵も手すりもない山肌の一本道をひたすら登ること約1時間でゴール。往復2時間ほどのトレッキングでした。

驚いたのは、他の参加者やガイドさんがスニーカーやパンプス、サンダルでスタスタ歩いていくこと……。フル装備の登山スタイルで来た私がちょっと恥ずかしくなりました(汗)。とはいえ雨の日の足元は本当に滑るので、靴だけはしっかりしたものがおすすめです。

午前は晴れのマチュピチュ、午後は雨に煙るマチュピチュ。1日で2つの表情を見られて、むしろ大満足の1日でした。その後は自由解散となり、シャトルバスで村へ戻りました。
💡 【2026年現在】インティプンクへ行けるチケットは限定です
現在のサーキット制では、インティプンクへは「サーキット1のルート1C(太陽の門)」のチケットが必要で、しかも乾季のハイシーズン(6月〜10月15日ごろ)限定の販売です。私のときのように「午前は遺跡・午後はインティプンク」と欲張る場合は、サーキット2とルート1Cのチケットを2枚取る形になります。枠が少なめなので、行きたい方は早めの予約を!

マチュピチュ村でお土産探しと夕食|セビーチェが絶品!
村に戻ってからは自由行動。ホテルで荷物を置いて身軽になり、お土産屋さんめぐりと、朝に回れなかったエリアの散策を楽しみました。
夕食は、道端で同じツアーの方と偶然再会して、一緒に近くのレストランへ。地元料理のお店で、ペルー名物のセビーチェ(魚介のマリネ)がとにかく美味しい! お酒を飲みながら、一期一会の旅仲間との会話を楽しむ最高の夜になりました。

帰路へ|車窓から見た濁流と、列車のチョコレート
翌朝、マチュピチュ村を後にして再び観光列車へ。今度は午前の明るい時間なので、広い窓から聖なる谷の景色を満喫できます。今回もドリンクと軽食のサービスがありました。
ただ、前日の午後からずっと雨が続いていたので、川は茶色い濁流。以前この線路が川の氾濫で寸断されたというニュースを思い出し、自然と隣り合わせの場所なんだと実感しました。

クスコに戻ったら空港でお弁当のランチと少しの自由時間。列車のサービスで食べたチョコレートが美味しかったので、空港で同じものを見つけてお土産に購入しました。こういう「現地で実際に食べて美味しかったもの」のお土産、間違いがなくておすすめです。

リマで夜景と夕食、そして帰国へ
夕方リマに到着し、サンフランシスコ教会などの観光と夜景、夕食を楽しんだら、リマ発の深夜便でロサンゼルスへ。そこから東京へと、あっという間に旅が終わりました。

旅の感想|弾丸マチュピチュは「アリ」です。ただし体力と相談を
とにかく寝る時間も食事の時間もおかしくなる旅でしたが、どうしても行きたかったマチュピチュに、低価格・短期間で行けたことは本当に素晴らしい体験でした。
一方で、体への負担は正直それなりにあります。「せっかく南米まで行くなら色々回りたい」「体力に自信がない」という方は、時間をかけて周遊するプランのほうが向いていると思います。ツアーでご一緒した70代の方々は、午前中の遺跡観光+午後は休息という組み立てで乗り切ったとおっしゃっていました。
短期間で遠くへ行くプランを選ぶときは、観光以外の移動時間や自由時間の「余裕度」が自分の体力に合っているかを、申し込む前に行程表でしっかり確認するのが大事。これがこの旅いちばんの学びでした。
シリーズリンク
- 👉 【①準備・移動・クスコ編】:ESTA・服装の準備/ロサンゼルス乗り継ぎのハプニング/クスコ観光/夜行列車でマチュピチュ村へ
憧れの場所は、思い切って行ってみると意外と手が届くもの。マチュピチュを迷っている方の背中を、少しでも押せたら嬉しいです。
