今回は、一度は見たいと憧れていたカンボジアのアンコールワットを訪ねた体験記です。
利用したのは宿泊と航空券がセットになったツアー。ただし添乗員さんは付かず、現地での移動や観光は完全に自分次第という、フリープランに近いスタイルです。観光は日本から現地発着ツアー(日本語ガイド付き)を予約しておいて、毎日違うコースの遺跡めぐりに参加しました。
訪れたのは2017年4月末〜5月の6日間。この記事では2026年時点の最新情報もあわせて紹介します。まずは①アンコールワット編として、ビザや乗り継ぎのドタバタから、旅のハイライトだった朝日鑑賞、アンコール遺跡1日ツアーまでをレポートします。

カンボジア入国にはビザが必要です
カンボジアは、日本のパスポートでも観光ビザが必要な国です。私はプノンペンの空港に着いてから取る「アライバルビザ」を利用しました。
流れはシンプルで、アメリカドルの現金を持ってビザカウンターの列に並び、その場でお金を払って発行してもらうだけ。パスポートにビザのシールをぺたっと貼ってもらえます。事前準備は証明写真とドルの現金くらいで、拍子抜けするほどあっさり終わりました。
💡 カンボジアのビザ最新情報(2026年時点)
現在も観光ビザは必要で、取り方は主に2つ。①空港到着時のアライバルビザ(観光Tビザ・30ドル)、②事前にオンラインで取る「eビザ」(手数料込みで36ドル)です。到着後に並ばなくて済むぶん、いまはeビザが人気。さらに2024年以降は、ビザとは別に「e-Arrival(電子入国カード)」のオンライン事前登録も必要になりました。アライバルビザにする場合も米ドルの現金を忘れずに。料金や制度は変わりやすいので、出発前に必ず最新情報を確認してくださいね。
プノンペンで国内線に乗り継ぎ|完全個人移動の洗礼
成田からプノンペンへ飛び、そこから国内線に乗り継いでシェムリアップへ向かいます。
ここで戸惑ったのが乗り継ぎ方法。プノンペンに着いたらいったん荷物を受け取り、自分で国内線のチェックインをし直す必要がありました。このスタイルが初めてだった私は、どこへ行けばいいのかわからず空港内をウロウロ……。
とりあえず他の乗客が移動していく方へついて行き、なんとか国内線のチェックインカウンターを発見。初めての空港はいつも乗り場や乗り方がわからなくて焦ります。こういう時「団体旅行って安心だなあ」としみじみ思うのですが、結局それよりワクワクが勝ってしまうので、一人で行ってしまうんですよね……。
💡 いまは空港事情が大きく変わっています
私が利用したシェムリアップ市内近くの空港は閉鎖され、2023年10月に新しい「シェムリアップ・アンコール国際空港(SAI)」が開港しました。新空港は市内から約40〜50kmと遠くなったので、送迎付きのツアーやホテルだと安心です。プノンペン側も2025年に新しいテチョ国際空港が開港していて、直行便や乗り継ぎの流れは当時とだいぶ変わっています。
シェムリアップに到着|アンコールワットの模型がお出迎え
シェムリアップの空港に着いたのは20時30分頃。到着ロビーではアンコールワットの模型が出迎えてくれて、「ついに来たんだ!」と気分が上がります。
ツアーにはホテルの送迎が付いていたので、夜の到着でも迷わずホテルへ。これは本当に安心でした。

ホテルにチェックイン|天蓋付きベッドがリゾート感
ホテルは少し年季の入った建物でしたが、リゾートっぽい雰囲気の天蓋付きベッドが可愛らしくてテンションが上がります。
翌日は日本で予約しておいた現地ツアーにロビー集合。なんと朝4時出発という早朝スタートなので、この日は早めに就寝しました。

朝4時出発!アンコールワットの朝日鑑賞へ
いよいよ旅のメインイベント、アンコールワットの朝日鑑賞です。日の出前に遺跡へ入るため、ホテルを4時に出発します。
まずは入場ゲートでチケットの購入。その場でカメラで顔写真を撮影され、顔写真入りの入場券を発行してもらいます。世界遺産の入場券に自分の顔が入るなんて、ちょっとしたレア体験です(早朝すっぴんの顔が入るのはご愛嬌……)。
💡 アンコール遺跡の入場券「アンコールパス」最新情報(2026年時点)
顔写真入りの入場券スタイルは今も同じです。料金は1日券37ドル・3日券62ドル・7日券72ドル。現在は窓口購入に加えて、公式サイトや公式アプリでのオンライン購入もできるようになりました(オンラインの場合は顔写真をアップロード)。事前に買っておけば早朝の窓口に並ばずスムーズです。入場券は本人専用でチェックポイントごとに確認されるので、なくさないよう注意してくださいね。

池の前で1時間の朝日待ち
真っ暗な中を歩いて、アンコールワット前の聖池(リフレクションポンド)へ。ここが定番の朝日鑑賞スポットで、水面に映る「逆さアンコールワット」と朝日を一緒に狙えます。
空がじわじわ明るくなり、塔のシルエットが浮かび上がってきて……1時間ほど待って、ようやく太陽が姿を見せてくれました。この瞬間は本当に感動的。ただ、一人参加だと待ち時間を潰すのがなかなか大変でした(笑)。

一度ホテルに戻って朝食タイム
朝日鑑賞が終わると、ツアーは一度ホテルに戻って朝食という流れ。1時間ほど休憩してから、再び遺跡エリアへ戻ります。早朝出発でお腹ぺこぺこなので、この「いったん朝ごはん」システムはありがたかったです。
アンコールトム観光|巨大な顔の塔に囲まれる
午前の部はアンコールトムから。クメール語で「大きな町」を意味する、その名の通り巨大な城砦都市の遺跡です。
💡 アンコールトムってどんな遺跡?
12世紀末、アンコール王朝の最盛期を築いたジャヤヴァルマン7世がつくった王都です。一辺約3km・周囲約12kmの城壁とお堀にぐるりと囲まれていて、中心にそびえるのがバイヨン寺院。四方に巨大な顔が彫られた「四面仏顔塔」が林立する姿は圧巻で、どこにいても穏やかな微笑み(クメールの微笑み)に見つめられているような不思議な感覚になります。南大門へ続く橋の、神々と阿修羅が大蛇を引っ張る像の行列も見どころです。
ガイドさんに遺跡の中を一通り説明してもらったあとは、しばし自由行動に。
「写真撮ってあげるよ」に捕まった話
ここでやらかしました。遺跡でよくいる「写真撮ってあげるよ」と声をかけてくる、捕まっちゃいけない系の勧誘。旅慣れていない私はうっかり携帯を渡してしまい、言われるがままにポーズを取って撮影会が始まってしまいました……。
「終わったらどんな高額チップを要求されるんだろう」と内心ドキドキしていましたが、結果は5ドルで解放。ほっ。一人旅だと自分の写真はなかなか撮れないし、「撮ってもらえたからいいか」と自分を戒めつつ納得することにしました。皆さんは気をつけてくださいね(笑)。

タ・プローム|木が遺跡を飲み込む「ラピュタの世界」
続いてはタ・プローム。巨木の根が遺跡にぐるぐると絡みついた姿がジブリの『天空の城ラピュタ』を思わせる、なんとも幻想的な場所です。自然の力強さをこれでもかと感じます。
💡 タ・プロームってどんな遺跡?
1186年、アンコールトムと同じジャヤヴァルマン7世が母を弔うために建てた仏教僧院です。王朝の衰退後、長いあいだ密林に埋もれていたため、スポアン(ガジュマルの仲間の巨木)が容赦なく建物に根を張りめぐらせました。発見後も「自然に飲み込まれていく姿をそのまま残す」方針で、あえて大掛かりな修復をせずに保存されているのがこの遺跡の個性。映画『トゥームレイダー』のロケ地になったことでも有名です。
木の根は今もじわじわ成長を続けているそうで、「遺跡が飲み込まれていく途中経過」を確かめるために、何年かおきにまた来たくなる——そんな遺跡です。

いよいよアンコールワットの内部へ
お昼をはさんで、午後はいよいよアンコールワットの内部観光。日中の気温はぐんぐん上がり、入り口をくぐる頃にはすでに汗だくです。
💡 アンコールワットってどんな遺跡?
12世紀前半にスーリヤヴァルマン2世が、ヒンドゥー教のヴィシュヌ神に捧げて約30年かけて建てた寺院で、世界最大級の宗教建築といわれています。幅約190mのお堀に囲まれた敷地に三重の回廊がめぐり、中央にそびえる5本の塔は神々の住むメール山(須弥山)を表現したもの。第一回廊の壁一面に彫られた「乳海攪拌」など約600mにおよぶレリーフは必見です。珍しく西向きに建てられているため朝日鑑賞の名所になっていて、のちに仏教寺院として使われるようになった歴史も持っています。カンボジアの国旗にも描かれている、まさに国の象徴です。
中に入ってまず思ったのは、とにかく広い! ガイドさん付きで効率よく回っているはずなのに、暑さと湿度で同じツアーのみんなも次第にぐったり……。それでも、ずっと来たかった遺跡の回廊を実際に歩けて、大満足の時間でした。

日本人が江戸時代に書いた落書きも。
概要と行き方は👉こちらで詳しく説明されていました。

プレ・ループ|遺跡の上で夕涼み、からのスコール
1日ツアーの最後はプレ・ループ。囲いもお堀もなく、道端に突然どーんと現れるピラミッド型の遺跡です。
💡 プレ・ループってどんな遺跡?
アンコールワットより約150年古い961年建立の、レンガとラテライト(赤土の石材)でできたピラミッド型寺院です。名前は「体を回す」という意味で、かつて火葬の儀式が行われた場所だと伝えられています。上まで登れば見晴らしがよく、夕日の名所としても人気です。
自由時間に上まで登ると風が気持ちよくて、スニーカーを脱いでしばし休憩。……すると、遠くに黒い雨雲のカーテンが見えるではありませんか。
嫌な予感がしたので早めに下りて車に乗り込むと、直後にバケツをひっくり返したようなスコール! ぎりぎりセーフでしたが、同じツアーの方の中にはびしょ濡れになった方も……。乾季の終わりかけでも、スコールは突然やってきます。

締めはアプサラダンスを観ながらディナー
夜は土砂降りの中、カンボジアの伝統舞踊「アプサラダンス」のショーを観ながら夕食。アプサラはアンコールワットのレリーフにも彫られている天女のことで、きらびやかな衣装としなやかな指先の動きが優雅です。
1日の疲れを癒しつつ、ショーを観ながら同じツアーの皆さんと「お疲れさまでした!」の乾杯。朝4時から始まった濃すぎる1日コースが、これにて終了です。

まとめ|朝日から夕立まで、アンコール遺跡を全力で味わう1日
朝4時出発の朝日鑑賞に始まり、アンコールトム、タ・プローム、アンコールワット、プレ・ループ、そしてアプサラダンスまで。ハイライトを1日にぎゅっと詰め込んだ王道コースでした。暑さは覚悟が必要ですが、日本語ガイド付きの現地ツアーなら効率も理解度も段違いなので、初カンボジアの方には心からおすすめです。
次回は②バンテアイスレイ・郊外遺跡編。「東洋のモナリザ」に会いに行き、山道を40分登った先の「川の中の遺跡」を目指します。
