会社員をしながら、休みをやりくりしてアジア・ヨーロッパ・アフリカ・中南米と世界のあちこちを旅してきました。旅の目的地を選ぶとき、やっぱり気になるのが世界遺産。でも正直、「有名だけど行ってみたら普通だった…」という場所と、「一生忘れられない!」という場所があるのも事実です。
そこで今回は、私が実際に自分の足で訪れた世界遺産の中から、本当に行ってよかったTOP5をランキング形式で紹介します。ガイドブックの受け売りではない、行った人にしかわからない「現地のリアル」も添えてお届けしますね。

行ってよかった世界遺産TOP5【早見表】
| 順位 | 世界遺産 | 国 | ひとことで言うと |
|---|---|---|---|
| 1位 | マチュピチュ | ペルー | 苦労してたどり着く天空の遺跡 |
| 2位 | ピラミッド&アブシンベル神殿 | エジプト | 桁違いのスケールと歴史の深さ |
| 3位 | アンコールワット | カンボジア | 暮らしに溶け込む巨大遺跡 |
| 4位 | ノートルダム大聖堂 | フランス | 火災前の姿を見られた貴重な思い出 |
| 5位 | ヴェネツィア | イタリア | 沈みゆく儚さも含めて美しい水の都 |
1位:マチュピチュ(ペルー)|行くまでのハードルの高さも含めて感動
堂々の1位は、ペルーのマチュピチュ。「一生に一度は行きたい」の代名詞みたいな場所ですが、実際に行ってみて、その評判は本物だと確信しました。
まず、とにかく行くまでのハードルが高い。日本からペルーへの直行便はなく、飛行機を乗り継いでリマへ、そこからクスコへ飛び、さらに列車とバスを乗り継いで、ようやくたどり着きます。でも、その長い道のりの果てに山の上に忽然と現れる石造りの遺跡を目にした瞬間、疲れが全部吹き飛びました。「どうしてこんな場所に、どうやって造ったの?」という圧倒的な謎と絶景。写真で何度も見ていたはずなのに、実物の迫力はまったく別物でした。

そして意外なおすすめポイントが、遺跡の麓にあるマチュピチュ村。川沿いに小さな宿や食堂が立ち並ぶ様子が、なんだか日本の田舎の温泉街みたいで、地球の裏側なのに懐かしさすら感じる、とても落ち着く村なんです。しかもペルーの食事は日本人の口に驚くほど合う。お米を使った料理やスープなど、長旅の胃に優しいごはんに何度も救われました。
💡 マチュピチュ村は本当に「温泉街」だった
マチュピチュ村の正式名称はアグアス・カリエンテス。スペイン語で「熱い水」、つまり温泉という意味で、村には実際に温泉があります。日本の温泉街に似ていると感じたのは、気のせいではなかったんですね。
マチュピチュ旅行の様子は、体験記を2本に分けて詳しく書いています。
2位:ピラミッド&アブシンベル神殿(エジプト)|遺跡も「発掘の歴史」も桁違い
2位はエジプトのギザのピラミッドとアブシンベル神殿。マチュピチュとエジプトは、私がずっと前から「ここだけは絶対に行く」と決めていた場所でした。そして期待のハードルが上がりきった状態で行ったのに、それでも感動できた、という点で殿堂入りクラスです。

ピラミッドは、近づくほどに一つひとつの石の大きさに圧倒されます。そしてナイル川をさかのぼった南の果てにあるアブシンベル神殿は、岩山に彫られた巨大なラムセス2世像が並ぶ大迫力の神殿。私は夜明けのアブシンベルを見に行ったのですが、朝日に照らされていく神殿の姿は今思い出しても鳥肌ものです。

面白いのは、遺跡そのものだけでなく「発掘の歴史」まで長いこと。神殿の中には1800年代に訪れた探検家たちの落書きが残っているほどで、再発見されてからだけでも200年以上。しかもエジプトの発掘調査には日本の調査隊も半世紀以上関わっていて、遺跡の歴史に日本がつながっていると思うと、なんだか誇らしい気持ちになりました。
💡 アブシンベル神殿は「世界遺産」という仕組みが生まれるきっかけ
アブシンベル神殿は1960年代、アスワン・ハイ・ダムの建設で湖に沈む運命でした。そこで世界中が協力し、神殿をブロックに切り分けて丸ごと高台へ移設するという前代未聞の救出作戦を実行。この経験がもとになって世界遺産条約が生まれたと言われています。いわば「世界遺産の原点」なんです。
エジプト旅行の様子は、体験記を4本に分けて詳しく書いています。
- 👉 【エジプト周遊①】8日間ツアーの全体ルートと基本情報
- 👉 【エジプト周遊②】アスワン観光と夜明けのアブシンベル神殿
- 👉 【エジプト周遊③】ルクソール・カイロ観光とクフ王ピラミッド入場
- 👉 【エジプト寝台列車】ルクソール発カイロ行き1等寝台の正直レビュー
3位:アンコールワット(カンボジア)|地元の暮らしに馴染んだ世界遺産
3位はカンボジアのアンコールワット。ジャングルの中に広がる巨大な寺院遺跡群で、彫刻の細かさと規模の大きさはさすが世界三大仏教遺跡のひとつと言われるだけあります。
ここで印象的だったのは、遺跡が地元の生活にそのまま馴染んでいること。世界遺産なのに観光地として整備されすぎておらず、遺跡のすぐそばに普通の暮らしがある。実は遺跡周辺の道路の舗装は日本の支援で整備されたもので、ここでもエジプトと同じように「日本と遺跡のつながり」を感じられました。

そしてもうひとつ、ぜひ紹介したいのがタイとの国境にあるプレアヴィヒア寺院。断崖絶壁の上に建つ「天空の寺院」で、崖の先に広がる大平原の眺めはまさに絶景。アンコールワットとはまた別の世界遺産で、行くのは大変ですが、カンボジアまで行くなら足を延ばす価値ありです。

💡 カンボジアには世界遺産が複数ある
「カンボジアの世界遺産=アンコールワット」のイメージですが、タイ国境の断崖に建つプレアヴィヒア寺院も2008年に登録された世界遺産。標高500m以上の崖の上にあり、寺院の先端からはカンボジアの大平原を一望できます。
カンボジア旅行の様子は、こちらの体験記で詳しく書いています。
4位:ノートルダム大聖堂(フランス)|火災前の姿を見られた、一生ものの思い出
4位はフランス・パリのノートルダム大聖堂。私が訪れたのは2015年4月でした。まさかそのちょうど4年後、2019年4月に、大聖堂が炎に包まれるニュースを見ることになるとは思いもしませんでした。
いちばん印象に残っているのは、塔に登って間近で見たガーゴイル(怪物の像)。頬づえをついてパリの街を見下ろす姿はどこかユーモラスで、塔の上から眺めるパリの街並みとセットで忘れられない光景です。聖堂内ではバラ窓のステンドグラスがとにかく綺麗で、差し込む光に色ガラスが浮かび上がる様子にしばらく見とれていました。

2019年の火災のニュースを見たときは、「もうあの塔の中から見た風景を見ることはできないのか」と本当に悲しい気持ちになりました。でも同時に、新たに作られた内部もまた見に行きたい、もう一度あの場所を訪れたいという気持ちが湧いてきたんです。「行きたい場所には行けるうちに行っておく」——その大切さをいちばん教えてくれた世界遺産です。
💡 ノートルダム大聖堂は世界遺産「パリのセーヌ河岸」の一部
実はノートルダム大聖堂は単独の世界遺産ではなく、エッフェル塔やルーヴル美術館なども含む「パリのセーヌ河岸」(1991年登録)の一部として登録されています。2019年の火災で尖塔と屋根を失いましたが、世界中からの支援で修復が進み、2024年12月に大聖堂が再オープン。2025年には塔の見学も再開されました。生まれ変わった姿を見に行くなら、まさにこれからです。
- 👉 【フランス体験記】:パリ観光の旅行記も今後公開予定です
5位:ヴェネツィア(イタリア)|カーニバルの熱気と、沈みゆく島の儚さと
5位はイタリアのヴェネツィア。私が訪れたのはちょうどヴェネツィアン・カーニバルの時期で、仮面と中世衣装をまとった人たちが街を歩き、世界中から人が集まるお祭りの熱気に街全体が包まれていました。
車が一切走れない街なので、移動は徒歩か船。水路を行き交うゴンドラや水上バスからの眺めはまさに「水の都」で、移動そのものがアトラクションでした。ドゥカーレ宮殿の豪華絢爛な広間や、ガラス工芸の島ムラーノ島の路地を歩いていると、自分の日常とはまるで違う暮らしと文化がここにあるんだと実感します。

そして港町だけあって魚介が本当に美味しい! イカスミパスタやシーフードのフリットなど、食事の満足度も高い街でした。

一方で、ヴェネツィアは高潮の時期になると広場や建物の床が水で覆われる「アクア・アルタ」という現象が起きる街でもあります。少しずつ海に沈みつつあると言われる儚さも含めて、「今のうちに見ておくべき場所」だと強く感じました。次はぜひ、アクア・アルタの時期の幻想的な街も見てみたいです。
💡 アクア・アルタとは?
秋から冬にかけて高潮で水位が上がり、サン・マルコ広場などが水に浸かる現象。街には仮設の足場が組まれ、観光客も長靴で歩きます。近年は巨大な可動式防潮堤「MOSE(モーゼ)」の運用も始まりましたが、地盤沈下と海面上昇は今もこの街の大きな課題です。
- 👉 【イタリア体験記】:ヴェネツィアの詳しい街歩き記事も今後公開予定です
惜しくもランク外|それでも行ってよかった世界遺産
TOP5には入りませんでしたが、心に残っている世界遺産はまだまだあります。
- シギリヤロック(スリランカ):巨大な一枚岩の頂上に王宮跡が残る「天空の城」。約1,200段の階段は早朝が狙い目でした。
👉 スリランカ【前編】世界遺産をめぐる – シギリヤ・ダンブラ・キャンディとアーユルヴェーダ - モン・サン・ミシェル(フランス):海に浮かぶ修道院の島。修道院から要塞、監獄へと歴史に翻弄され、増改築で部屋ごとに様式が違う迷路のような建物です。島に泊まると、日帰り客が帰ったあとの静けさで孤島に取り残されたような非日常感を味わえました。
- アイット・ベン・ハドゥ(モロッコ):サハラ砂漠への入り口に残る、土でできた要塞のような集落。まるで映画のセットのような風景で、実際に数々の映画やドラマのロケ地になっています。
- 白川郷(日本):冬の雪化粧した合掌造り集落。海外の世界遺産に負けない風景が日本にもあります。
👉 白川郷へ冬のツアーで!雪の合掌造りと飛騨の里ライトアップ【1泊2日】
このほかの旅の記事も、公開したらこのランキングに追記していきますね。
まとめ|世界遺産の旅は「行きにくい場所」ほど感動が大きい
こうして振り返ってみると、私のランキングは「行くのが大変だった場所ほど上位」になっていました。マチュピチュもアブシンベルも、乗り継ぎに次ぐ乗り継ぎでようやくたどり着く場所。でもだからこそ、目の前に現れた瞬間の感動が桁違いなんだと思います。
「いつか行きたい」と思っているうちは、なかなか行けません。ヴェネツィアのようにいつまで今の姿を見られるかわからない場所もあります。この記事が、あなたの「いつか」を「次の休み」に変えるきっかけになれば嬉しいです。
海外旅行の準備には、こちらの記事もどうぞ。
