パリのシテ島に建つノートルダム大聖堂の塔に、私が登ったのは2015年4月。2019年の火災のちょうど4年前でした。
この記事では、火災前のノートルダム大聖堂で塔に登った体験を、当時の写真と一緒に振り返ります。さらに後半では、2024年12月に再開した大聖堂と、2025年9月に見学が再開した塔の今の見学方法(予約・料金・注意点)をまとめました。これからパリへ行く方は、後半の「今の見学方法」だけでも読んでいってくださいね。

ノートルダム大聖堂とは?まずは基本情報
ノートルダム大聖堂は、パリの中心を流れるセーヌ川の中州「シテ島」に建つカトリックの大聖堂です。建設が始まったのは1163年。完成までにおよそ200年かかりました。ゴシック建築の代表作として知られ、世界遺産「パリのセーヌ河岸」の一部にもなっています。
ところが2019年4月15日、改修工事中だった屋根から火が出て、尖塔が崩れ落ちました。木造の屋根の大部分も焼けてしまいます。その後5年以上にわたる修復を経て、大聖堂は2024年12月に再開しました。さらに塔の見学も、2025年9月20日に新しいルートで再開しています。
💡 ノートルダム大聖堂 基本情報
場所:パリ4区・シテ島(最寄りはメトロ4号線 Cité駅、RER B線・C線 Saint-Michel Notre-Dame駅)
着工:1163年
世界遺産:「パリのセーヌ河岸」(1991年登録)の一部
火災:2019年4月15日
大聖堂の再開:2024年12月
塔の再開:2025年9月20日
2015年、火災前のノートルダム大聖堂へ
この日はひとりで訪れました。
セーヌ川沿いから見た、どっしりとした姿
大聖堂は、セーヌ川沿いから眺めても正面の広場から見上げても、どっしりとした存在感があります。正面には2本の塔が並び、真ん中には大きなバラ窓があります。


また、夜になると大聖堂はライトアップされます。セーヌ川の向こうに、照らされた大聖堂が浮かび上がっていました。

薄暗い堂内と、バラ窓のステンドグラス
堂内は狭くて暗いイメージでした。だからこそ聖堂として厳かで、怖さを感じたほどです。
そのなかで光を集めていたのが、バラ窓のステンドグラスです。とにかく綺麗で、差し込む光に色ガラスが浮かび上がる様子に、しばらく見とれていました。暗さと、自然の光をステンドグラスで取り込む美しさ。その両方を同時に感じられる空間でした。


さらに、高い天井から下がるシャンデリアや、何本も並ぶ太い柱も見どころです。また、光の差し込む像や、とがったアーチの窓も写真に残っていました。



💡 今の堂内は、当時よりずっと明るい
火災後の修復では、焼け残った部分だけでなく、長年のすすで黒ずんでいた石の壁や柱も洗浄されました。そのため再開後の堂内は、以前よりずっと白く明るくなったと伝えられています。私の写真に残っているのは、修復前の薄暗い堂内です。今行く方は、写真と見比べてみると違いがわかるかもしれません。
日本語も書かれた案内板|ここは「祈りの場所」
堂内には、いくつもの言語で書かれた案内板が立っていました。そのなかには日本語もあります。書かれていたのは、ここが祈りと静けさの場所であること。そして、ミサの間は歩き回らないでほしいというお願いです。

ノートルダム大聖堂は観光地であると同時に、今も祈りの場です。堂内では大声を出さず、ミサの最中は通路で立ち止まらないようにしましょう。
ノートルダム大聖堂の塔へ|狭い階段を登った先の景色
この日いちばんの思い出は、ノートルダム大聖堂の塔に登ったことです。
塔に登るために、私は予約なしで列に並びました。列は建物の外まで続いていました。しかも日陰で並んだため体が冷えて、このあと風邪をひいてしまったのは苦い思い出です。
今は塔の見学が完全予約制になり、時間を指定して入れるようになりました(くわしくは後半で紹介します)。とはいえ、4月のパリは日陰に入ると肌寒い日もあります。そのため、観光のときは羽織りものを1枚持っておくと安心です。
狭いらせん階段で、息が切れる
ノートルダム大聖堂の塔の中は、石造りの狭いらせん階段がひたすら続きます。段数までは覚えていません。ただ、らせん階段はきつかったです。登っているうちに息が切れたのを覚えています。また、階段は狭くて暗かったと思います。
階段を登りきると、格子の窓がある部屋が現れます。そしてその先で外へ出ると、いよいよキマイラ像の並ぶ回廊です。

登りきった先に広がる、パリの景色
狭い階段を息を切らしながら登りきると、一気に景色が開けます。その瞬間が本当に清々しかったです。それまでの息苦しさが、景色でまとめて報われた気がしました。

ノートルダム大聖堂の塔の上でいちばん印象に残っているのは、間近で見た怪物の像です。写真で見ていたキマイラ像を間近にして、かなり感動したことを覚えています。頬づえをついてパリの街を見下ろす姿はどこかユーモラスでした。そして塔の上から眺めるパリの街並みとセットで、今も忘れられない光景です。
違う文化の建物や像を、自分の目で直接見られる。そこに海外旅行の素晴らしさと、文化を学ぶことの意義を感じた瞬間でした。

💡 「ガーゴイル」と「キマイラ」はちがうもの
大聖堂の怪物の像は、まとめて「ガーゴイル」と呼ばれがちです。ただ、厳密にはガーゴイルは雨水を外へ流す「雨どい」の役目をもつ像のこと。一方、塔の回廊に並んで街を見下ろしている像はキマイラ(フランス語でシメール)と呼ばれる飾りの像です。キマイラの多くは、19世紀の修復のときに加えられたものだそうです。
また、金網越しには、パリの街がどこまでも広がって見えます。遠くにはエッフェル塔とセーヌ川。また、すぐ近くにはサント・シャペルの細い尖塔も見えました。


サント・シャペルは、ノートルダム大聖堂から歩いて数分の場所にあります。壁一面のステンドグラスで知られる教会で、中で開かれるコンサートも人気です。私が実際にコンサートを聴いた体験は、サント・シャペルのコンサート完全ガイド|チケット予約方法にまとめています。
塔の中の大きな鐘
キマイラ像の回廊を歩いたあとは、鐘のある部屋へ。木の骨組みに吊るされた大きな鐘を間近で見ることができました。
鐘のところも通路は狭く、その狭いところから突然、大きな鐘が視界に入ってきて感動しました。さらに、鐘の古さを見ていると、昔の人たちがこの鐘に触れてきた歴史が思い浮かび、興奮したのを覚えています。


火災のニュースを見て思ったこと
2019年4月、ノートルダム大聖堂が炎に包まれるニュースを見たときは、とても残念で、悲しい気持ちになりました。「もうあの塔の中から見た風景を見ることはできないのか」。まるで古くからの過去の記憶まで燃えてしまったような感覚でした。
でも同時に、再建したあとはもう一度あの場所を訪れたいという気持ちが湧いてきました。そして今、大聖堂も塔も見学が再開しています。新しい歴史を作り始めたノートルダムを、これからも応援したいと思っています。
【2026年最新】ノートルダム大聖堂と塔の見学方法
ここからは、これからノートルダム大聖堂の塔や堂内を見学する方に向けた最新情報です。まず大事なのは、大聖堂と塔は別々に予約するという点です。大聖堂は無料で、予約しなくても入れます。一方、塔は有料で、事前のオンライン予約が必須です。
大聖堂(堂内):入場無料・予約は任意
| 入場料 | 無料(宝物館のみ有料) |
|---|---|
| 予約 | 任意(30分ごとの無料予約枠あり) |
| 予約の方法 | ノートルダム大聖堂の公式サイトまたは公式アプリ |
| 開館時間の目安 | 平日 朝8時ごろ〜19時(木曜は22時まで) 土日 8時15分〜19時30分 |
予約なしでも入れます。ただし、春から秋の観光シーズンは入口に長い列ができることがあります。そのため、日程が決まったら無料の予約枠を取っておくと安心です。予約枠は直前の数日分しか公開されないので、旅行中にこまめにチェックしましょう。なお、開館時間は行事などで変わることがあります。行く前に公式サイトで確認してください。
塔:完全予約制・大人16ユーロ・424段
| 料金 | 大人16ユーロ(18歳未満は無料。ただし予約は必要) |
|---|---|
| 予約 | 必須(オンラインのみ。現地でのチケット販売なし) |
| 予約の方法 | 塔の公式サイト(フランス国立モニュメントセンター) |
| 見学時間 | 4月1日〜9月30日:9時〜23時 10月1日〜3月31日:9時〜17時30分 最終入場は閉館の1時間前 |
| 階段 | 424段・高さ69m(エレベーターなし) |
| 入口 | 大聖堂の正面に向かって右側 |
⚠️ 塔に登る前に知っておきたいこと
・エレベーター・トイレ・水飲み場はありません。登る前にトイレを済ませておきましょう
・通路には幅45cmほどの狭い場所や、かがんで通る場所があります
・心臓の弱い方、めまいが起きやすい方、妊娠中の方にはすすめられていません
・最上部にいられるのは5分までです
・18歳未満は大人の同伴が必要です
私がノートルダム大聖堂の塔に登った2015年当時とは、ルートが変わっています。ただ、「狭い階段を自分の足で登る」という点は今も同じです。息が切れる覚悟で、歩きやすい靴で行ってくださいね。
公式ではない予約サイトに注意
「ノートルダム 予約」などで検索すると、公式のように見えるチケットサイトがたくさん出てきます。そのなかには、無料の大聖堂の予約に手数料を上乗せしているサイトや、公式ではない転売サイトもあるようです。予約するときは、次の公式サイトからにしましょう。
- 大聖堂(無料予約):ノートルダム大聖堂 公式サイト
- 塔(有料・予約必須):ノートルダム大聖堂の塔 公式サイト
ノートルダム大聖堂とあわせて行きたい、シテ島の名所
ノートルダム大聖堂のあるシテ島には、ほかにも見どころがぎゅっと集まっています。特に、塔の上からも見えたサント・シャペルは、大聖堂から歩いてすぐ。壁一面のステンドグラスは、ノートルダムのバラ窓とはまた違う美しさです。
サント・シャペルのチケット予約や当日の流れは、こちらの記事にまとめています。

また、パリから日帰りで行ける世界遺産のモン・サン・ミシェルなど、個人で行くのが大変な場所は現地ツアーを使うのも手です。日本語で予約できる現地ツアーについては、こちらで紹介しています。

まとめ|ノートルダム大聖堂の塔は、息を切らしても登る価値あり
2015年に登ったノートルダム大聖堂の塔。狭いらせん階段で息が切れた分、登りきったときに開けた景色は本当に清々しいものでした。頬づえをつく怪物の像と、その向こうに広がるパリの街並み。火災をへた今、あの景色を見られたことは一生ものの思い出です。
今はノートルダム大聖堂の塔も堂内も、見学が再開しています。大聖堂は無料・予約は任意、塔は完全予約制で大人16ユーロです。パリへ行く方は、ぜひ早めに塔の予約をして、424段の先の景色を見てきてください。
これまでに訪れた世界遺産はこちらにまとめています。ノートルダム大聖堂は4位に選びました。

また、パリの観光地ではスリにも気をつけたいところ。貴重品の持ち方はこちらに。

旅行中のカードの使い方や保険はこちらもあわせてどうぞ。

