サハラ砂漠ツアーでラクダに乗る!砂漠のホテル泊と朝日【体験記②】

モロッコ サハラ砂漠のホテル宿泊と朝日鑑賞ツアー

モロッコ周遊ツアーの体験記②は、この旅いちばんのハイライト。サハラ砂漠ツアーの話です。

砂漠の中に建つホテルに泊まり、翌朝6時にラクダに乗って朝日を見に行く。文字にすると2行です。ただし、そこにたどり着くまでには約445km・9時間のバス移動という長い1日がありました。この記事では、その移動の道のりから、砂漠での一夜とラクダに乗った朝までをまとめます。さらに「モロッコのグランドキャニオン」と呼ばれるトドラ渓谷まで紹介します。

訪れたのは2017年11月、友人と2人での参加です。なお、前半のカサブランカ・シャウエン・フェズについては①の記事に書いています。

砂漠の朝日

サハラ砂漠ツアーは移動から|フェズから9時間のバス旅

朝8時にフェズを出発。この日の移動距離は約445km、所要およそ9時間です。日本の感覚だと「東京から神戸あたりまでバスで行く」ようなもの。つまり、この日はほとんどがバスの中でした。

ただし、この移動そのものが観光になっているのがモロッコのすごいところ。窓の外の景色は、数時間ごとにまったく別の国のように変わっていきます。緑の高原から、乾いた岩山へ。そして岩山から、赤茶けた砂の世界へ。

とはいえ、山や岩場のあいだを縫って走る時間は長いもの。景色が大きく変わらない区間も続きます。私はスマホを見たり、寝たり。正直に言うと、ほとんど寝ていました。そのため9時間の移動日は、無理に起きていようとしないほうがいいと思います。眠れるときに眠っておくのが正解です。

「モロッコのスイス」と呼ばれる街、イフレン

途中で立ち寄ったのが、標高約1,650mの高地にあるイフレンという街。三角屋根の家が並び、モロッコの他の街とはまるで雰囲気が違います。そのため「モロッコのスイス」と呼ばれています。また冬には雪が降り、モロッコの人にとっては避暑地でありスキー場でもあるとのことで、モロッコの軽井沢といったところのようです。今回は雪もなく、オフシーズンではひっそりとした街でした。

また、街の中心には有名なアトラスライオンの石像が立っています。ここが定番の記念撮影スポットですが私は寝起きの休憩で写真も撮らずにふらりとゆっくり過ごしてしまいました…

アトラス山脈を越えると、景色が砂漠になる

イフレンを過ぎて中アトラス山脈を越えると、景色が本格的に変わります。まず木がなくなり、岩と土だけの荒野へ。

アトラス山脈を超えた後のバスの車窓からの風景

忘れられないのは、景色の美しさよりも心細さのほうでした。途中でふと目を覚ましたとき、まわりに民家もなく、人の気配もまったくない場所を走っていたのです。「ここで一人取り残されたら危ないな」と、本気で思ったのを覚えています。

だからこそ、この区間を自力で移動しようとすると相当ハードルが高いということも実感しました。そのため、バスに乗っているだけで砂漠まで運んでもらえるのは、やっぱりありがたいことです。

4WDに乗り換えて、サハラ砂漠のホテルへ

夕方17時ごろ、砂漠の玄関口エルフードに到着しました。ここからはバスでは進めません。そのため4WD(四輪駆動車)に数人ずつ分乗して、さらに約60km・1時間走ります。

向かう先はメルズーガ。サハラ砂漠ツアーの拠点になる村です。ここに広がる大砂丘はエルグ・シェビと呼ばれ、高いところでは150mほどの高さがあります。そして私たちがこの日泊まったのは、その砂丘のすぐそばに建つ砂漠の中のホテルでした。

砂漠のホテルの入り口

砂漠のホテルは、こんなところでした

まず驚いたのが、本当に砂漠の中にポツンと建っていること。そして、夜になると一歩先も見えないほど真っ暗になります。街あかりがまったくないというのは、こういうことなのだと初めて知りました。

部屋は、古い民家のような素朴なつくりで、寝るためだけのスペースという感じ。ドアも薄くて、外に声が漏れそうな雰囲気でした。またシャワーはお湯が出ましたが、バスタブはありません。豪華なホテルを想像していると驚くかもしれません。ただし「砂漠のど真ん中に泊まれている」という体験のほうが、はるかに価値がありました。

外は肌寒く、私は現地で買った民族衣装を上着がわりに羽織って過ごしました。防寒着は本当に必要です。

砂漠に座ると、瞑想できる

この夜いちばん心に残っているのは、砂漠の中にひとりで座っていた時間です。音がない、光もない。ただ座っているだけで、自然と瞑想しているような気持ちになりました。

そして星空。空一面の星が、瞬いているのまではっきり見えます。当時のカメラの性能ではうまく写せませんでした。360度カメラでギリギリ撮影出来ました。今のスマホやカメラで撮ったら、もっときれいに残せただろうなというのが唯一の心残りです。そのためこれから行く方は、ぜひ夜空の撮影も準備していってください。

360度カメラで砂漠に座って撮影
ホテルから砂漠に出て360度カメラで撮影。

💡 砂漠のホテルに泊まる日は、荷物を小さくまとめておく

大きなスーツケースを持ったままでは4WDに乗り込みにくいもの。そのためこの日だけは1泊分の荷物を小さなバッグに移しておくとスムーズです。着替え、洗面道具、充電器、そして翌朝の防寒着。なお砂漠は日中と朝晩の気温差が大きく、朝日を見に行く時間帯はしっかり冷えます。羽織りものは必ず手元に置いておきましょう。

6日目|朝6時、サハラ砂漠で朝日を見る

そして翌朝。集合は朝6時です。まだ真っ暗な中を出発して、砂丘の上で日の出を待ちます。

砂漠の朝日は、太陽が顔を出す前から少しずつ空の色が変わっていきます。砂丘の稜線がだんだんオレンジ色に染まっていく時間が、いちばんの見どころ。さらに風で描かれた砂の模様に長い影が伸びて、写真を撮る手が止まりません。

砂漠の朝日
ジェラバ購入組で記念撮影
同ツアーのジェラバを購入したメンバーで記念撮影

まわりに何もない砂漠の真ん中で、地平線の向こうから太陽が昇ってくる。その瞬間は、本当に感動しました。

空気も澄んでいて、とてもきれいでした。遮るものが何ひとつないので、太陽が出てくる場所も、砂丘に影が伸びていく様子も、まるごと見渡せます。写真で見ていた景色の中に、自分が立っている——そう実感できた朝でした。

ラクダに乗って砂丘へ

この朝日観賞では、ラクダに乗って砂丘まで行くことができます。私たちのサハラ砂漠ツアーでは現地での申し込み・別途料金でした。当時の日程表には約4,500円と書かれています。ただし金額や申込方法はツアーや時期によって変わるので、参加する日程表で確認してくださいね。もちろん私は迷わず申し込みました。

ラクダに乗るときにいちばん驚くのが、立ち上がる瞬間です。ラクダは座った状態から後ろ足→前足の順に立ち上がります。そのため乗っている人は、まず前にガクンと大きく傾いてから、後ろに戻されることに。ここで手すり(鞍の前の取っ手)をしっかり握っていないと、本当に前のめりになります。なお降りるときは、その逆です。

ただし歩き出してしまえば、あとはゆったりとした揺れに身をまかせるだけ。ラクダ使いの方が手綱を引いて歩いてくれるので、自分で操作する必要はありません。

行きのラクダ移動

正直な感想は「怖さより、におい」

乗ってみていちばん驚いたのは、怖さではなくにおいでした。歩き出してしまえばそれほど気になりません。ただし乗る前後は、動物のにおいがしっかりあります。ここは覚悟しておくと落ち着いていられます。

怖かったのは、やはり立ち上がる瞬間の前のめり。「落ちるかも」と一瞬ひやりとしました。逆に、歩いているあいだは自分で砂の上を歩かなくていいぶん、とても快適です。実際、砂丘を自分の足で登るのはかなり体力を使います。これは大きなメリットでした。

そして、うれしかったのがラクダ使いさんの気配りフォトスポットを教えてくれて、友人とのツーショットまで撮ってくれました。しかもチップを要求されることもありませんでした。観光地では写真のあとにチップを求められることもあります。だからこそ、ここは気持ちよく過ごせた思い出です。

💡 ラクダに乗る日の服装と持ちもの

  • パンツスタイルで。またいで乗るので、スカートは向きません
  • スカーフ(ターバン):風が吹くと砂が飛ぶので、口元と髪を守れます。現地で巻き方を教えてもらえることも
  • 羽織りもの:朝はしっかり冷えます
  • サングラス:砂よけとしても役立ちます
  • :砂は必ず入ります。脱いで振れば済むので、着脱しやすいものだと気楽です
  • カメラ・スマホ:砂は細かいので、袋に入れて出し入れすると安心。落とすと砂に埋もれるので、ストラップがあると心強いです
朝日鑑賞帰りのラクダの隊列

トドラ渓谷|モロッコのグランドキャニオン

砂漠のホテルで朝食をとったあとは、また4WDでエルフードへ戻り、バスに乗り換えて約160km・3時間。午後2時ごろに着いたのがトドラ渓谷です。

アトラス山脈を流れるトドラ川が、長い時間をかけて岩を削ってできた渓谷です。切り立った断崖は、高いところで160mほど。その谷底の細い道を歩いて見上げると、空が細く切り取られて見えます。まさに「モロッコのグランドキャニオン」と呼ばれるのも納得の迫力でした。またロッククライミングの聖地としても知られています。運がよければ、実際に岩壁を登っている人が見られます。

ただし、私たちのサハラ砂漠ツアーでの観光時間は約20分。歩いて、見上げて、写真を撮ったら終わりです。なお、ここはハイキングもできる場所。ゆっくり歩きたい方には、物足りないかもしれません。

トドラ渓谷での休憩

実際に岩と岩のあいだの谷底に降り立つと、切り立った岩壁の壮大さに圧倒されます。見上げるという表現がぴったりの場所でした。

気になる20分という時間。私の実感としては、ガイドさんの説明を聞いて、少し歩いて写真を撮るぶんには十分でした。また、お店が並んでいるわけでもないので、買い物に時間を取られることもありません。ただし、渓谷をゆっくり歩いて楽しみたい方には短いと思います。

途中のトイレ休憩のタイミングでアルガンオイルのお店へ
アルガンオイルもモロッコ定番のお土産で、オイルの瓶だけでなく石鹸のばら撒き用セットやスキンケア商品が並んでいました。ツアー用のお土産スポットみたいです。

立ち寄ったアルガンオイルの店

このあとさらにバスで走って、この日はワルザザード泊。翌日はいよいよ世界遺産の村へ向かいます。

サハラ砂漠ツアーで、行く前に知っておきたかったこと

ここまでの2日間をふまえて、サハラ砂漠ツアーに参加する前に知っておきたかったことをまとめます。

  • 砂漠までの道のりが長い:砂漠は「行けばすぐ」ではなく、まる1日かけて向かう場所です
  • 4WDへの積み替えがある:1泊分の小さなバッグを用意しておくと本当にラク
  • 朝が早い:朝日を見るなら6時集合。前夜は早めに休むのが正解です
  • 砂はどこにでも入る:靴、カバン、カメラ。気にしすぎない心の準備も含めて
  • ラクダは別料金のことがある:現地で申し込む形式なら、小額の現金を手元に

そのうえで、これから行く方にいちばん伝えたいのはこれです。

モロッコは、1か所に腰をすえて楽しむ国というより、離れた場所にある世界遺産を転々とめぐる国です。だからこそ、移動手段を先に確保しておくほうが、その都度手配するより確実に楽しめると思います。ツアーでも、専用車でも、形はなんでもかまいません。「どうやって次の街へ行くか」を毎回考えなくていい状態をつくること。それが、モロッコを楽しむ最大のコツだと感じました。

次は、世界遺産アイト・ベン・ハドゥへ

9時間のバス移動を越えてたどり着いた砂漠と、ラクダに乗って見た朝日。写真で見ていたサハラ砂漠が、音も温度もある場所として記憶に残る。サハラ砂漠ツアーのハイライトは、まさにこの2日間でした。

次の③では、映画のロケ地としても有名な世界遺産アイト・ベン・ハドゥをレポートします。あわせて、活気あふれるマラケシュ旧市街も紹介しますね。

旅の参考に💡

これまでに訪れた世界遺産はここでまとめています。

砂漠のように電波が心もとない場所へ行くときのスマホ対策はこちら。

海外旅行の持ち物はこちら。


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この記事を書いた人

40代の会社員。フルタイムで働きながら、長期休暇のたびに旅に出ています。
エジプト・ペルー・スリランカ・カンボジア・モロッコ・ヨーロッパなど、友人との二人旅が中心で、添乗員付きツアーに一人参加することもあります。国内も北海道から東北・関東・京都・山陰まであちこちへ。
ここでは、実際に行った旅の記録と、働きながら旅を楽しむための準備のコツを書いています。